まみこ先生のParis通信〈第4回〉- フランスの冬の行事食をご紹介します -

教育 2019.02.18

Bonjour tout le monde
こんにちは 料理研究家の井上麻美子です。

立春が過ぎ、暦の上では春となりましたが、
Parisでは朝の8時でもまだ薄暗く、灰色の空がつづいています。

今回は、1月・2月のフランスの行事食についてコラムを書きたいと思います。

日本では2月に入ると、バレンタイン一色になりますが
パリでは、「La Saint-Valentin」で賑わうこともなく、
バーゲンセールの「Soldes」の文字ばかりが目につきます。

そんな中、パティシエとして有名なピエールエルメのお店は
ガレットデロワから、バレンタインらしいディスプレイになりました。

ピエールエルメ
https://www.pierreherme.com/boutiques/

「ガレット・デ・ロワ」は、中にアーモンドクリームが入った円形のパイ菓子で
1月6日の公現祭に食べるお菓子です。
陶器の小さな人形「フェーブ」が1つ隠されおり、切り分けて食べます。
フェーブが当たった人は紙の王冠を被り、王様になって皆なから祝福を受けるのです。
フランス人は、このケーキが大好きなので
1月中は、何処のお菓子屋さんやパン屋さんでも販売され
買うと必ず紙製の王冠をつけてくれます。

ちなみにフランスのバレンタインは、日本とは真逆で男性が女性にプレゼントをします。
愛の国フランスらしく、カップルのためのものです。
もちろん、義理チョコや、友チョコはありません。
パートナーに、赤いバラやレストランでの食事をプレゼントします。
普段から愛情表現を欠かさないフランス人にとっては、
日本ほどの特別感はないようで
バレンタイン商戦もなく、静かな一日です。

滞在も一年が経ち、いろいろとフランスの文化を体験する中で
日本の年中行事をパリでも伝えるため、行事食レッスンを始めました。

旧暦での新年を迎え、初回に選んだ「節分」は
伝統的な行事の多くが減少傾向にあるなかで
日本では人気の行事です。

パリでは、もう少し認知されていると考えていましたが、
年末に鏡餅を販売していた日本食材店でも、福豆は見かけません。
在仏歴が長い方にお尋ねしても、日本にいた時は欠かさなかったけれど…
とのお返事ばかり。
すっかりその存在は忘れられ、
前日のLa Chandeleur(聖燭祭)の方が、年中行事として取り入れられていました。
この日はクレープの日と呼ばれ、フランスではキリストの誕生から40日目の2月2日に、
黄色く丸い形が太陽に似ているクレープを焼いて食べる習慣があります。
暗くて寒い冬から、春が来るのを願うのです。
左手にコインをにぎりながら、右手にフライパンを持ち上手にひっくり返すことができると、その年は幸運に恵まれるといわれています。

翌日の2月3日に行った初めての節分レッスンは、
楽しい行事としてフランス人の方にも大好評でした。
見つからなかった、豆まき用の福豆は
フランス産の大豆をオーブンで煎り、手作りました。
手間がかかったにもかかわらず、味は人気がありません。

新潟では落花生が使用されているように、今後は大豆にこだわらず
フランスでも無理なく、楽しいように自在に演出し変えていく必要があります。

ただ楽しいだけではなく、
伝統の中に遊びの要素もとり入れ、
愉快な行事となるよう、工夫をする。

これらは
子ども達に伝承していくにも、大切なことです。

Au revoir très bientôt
井上麻美子

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